AK-69

2008å¹´1月にリリースされた最新作『Triumphant Retrun -Redsta Iz Back-』が、オリコン・インディーズ・チャー㠃ˆåˆç™»å ´1位を獲得したAK-69 a.k.a. Kalassy Nikoff。“メジャー”ではなく“インディー” での活躍にこだわる彼は、通常ならば逆境と も言うべきその状況を逆手にとって、“イン ディーだからこそできること”“インディー だからこそやる意味のあること”を追求する ヒップホップ・アーティストである。 　1978年に“0568 K-TOWN”こと愛知県小牧市に生まれたAK-69 a.k.a. Kalassy Nikoffは現在、名古屋を拠点に活動。元々はユ ニットでラッパー：AK-69ã¨ã—ã¦ç¬¬ä¸€æ­©ã‚’è¸ã¿å ‡ºã—始めた彼だが、最初のソロ音源は、ステ㠃¼ã‚¸ãƒãƒ¼ãƒ ã®ç”±æ¥ã§ã‚‚ある傑作アサルトライ㠃•ãƒ«ï¼šAK-47の別名をもじったKalassy Nikoffというシンガー名義の『Paint The World』（2004å¹´6月）だった。2006å¹´2月には、AK- 69とKalassy Nikoffの両名義でそれぞれアルバム『Redsta -The Rap Attacker-』『Redsta -The Melodism-』を同時発売。ドメスティック・ヒッ プホップでは前代未聞となるリリース形式も さることながら、前者はAK-69の初ソロ・アル㠃ãƒ ã¨ã—ã¦æ³¨ç›®ã‚’é›†ã‚ã€ã‚·ãƒ¼ãƒ³ã§ã®è©•ä¾¡ã‚’ç¢ºç «‹ã•ã›ãŸã€‚ 　その後もソロ・ラッパーとしての動きは活 性化し、同年10月のシングル「Live For Da Hustle」では、CHAMILLIONAIREã‚„BUN B、LIL' FLIPといったUSプラチナム・アーティストとの 競演経験もあるテキサス州ヒューストンのR&a mp;B GANGSTAことBILLY COOKをフィーチャー。USヒップホップ・シーン への嗅覚の鋭さをみせる。翌11月には、前述㠁®ã€ŽRedsta』2作品のリリース・ツアー・ファイ ナルを名古屋のクラブ・ダイアモンドホール にて敢行。AK-69編とKalassy Nikoff編に分けた充実の内容で会場を満員にし た。異例の早さでのリリースながらオリコン ・インディーズ・チャート初登場3位を記録だ—た、自身初のベスト・アルバム『Best Of Redsta』を挟み、2007å¹´2月〜3月にかけては、先 のツアー・ファイナルの模様を収めたDVDに客 演集CDが付いた2枚組『The Story Of Redsta』を、こちらも両名義に分けて2ãƒµæœˆé€£ç¶ šã§ãƒªãƒªãƒ¼ã‚¹ã€‚ある意味このツアー・ファイムŠãƒ«ã¨ã€ŽThe Story Of Redsta』は、AKのここまでのキャリアを総括す㠂‹å†…容であったが、もちろん彼の歩みはまだ㠁¾ã æ­¢ã¾ã‚‰ãªã„。 　半年後の2007å¹´9月には、盟友DJ DOPEMANとonodubが共同プロデュースを務めたシム³ã‚°ãƒ«ã€ŒDing Ding Dong 〜心の鐘〜」を、初登場でオリコン・インデ ィーズ・チャート2位に送り込む。そのリリム¼ã‚¹ãƒ»ãƒ‘ーティの映像をまとめたDVD『The Story Of Redsta -69 Party-』も2008å¹´3月にドロップし、本編のライ㠃´ã®ä»–、東海地方を中心とした若手ラッパー㠁«ã‚ˆã‚‹ãƒžã‚¤ã‚¯ãƒ»ã‚³ãƒ³ãƒ†ã‚¹ãƒˆã‚’収録。それはAKだŒâ€œè‡ªåˆ†ã ã‘が良ければそれでいい”という゠¹ã‚¿ãƒ³ã‚¹ã§ã¯æ±ºã—てないことを意味しており〠åå¤å±‹ã§å¤§ããªå‹¢åŠ›ã‚’誇るWCCの一員として〠DJ MOTO a.k.a. DON GRANDEら諸先輩にかつて受けてきた恩恵を後進 へと繋ぐことでシーン全体を底上げをしよう とする意図も見て取れる。 　「Ding Ding Dong 〜心の鐘〜」で魅せた“原点回帰”の風は、 冒頭で触れた傑作『Triumphant Retrun -Redsta Iz Back-』へも受け継がれている。自身の評価を㠁•ã‚‰ã«é«˜ã‚ãŸåŒä½œã®ãƒªãƒªãƒ¼ã‚¹ã‚’記念したツア㠃¼ãƒ»ãƒ•ã‚¡ã‚¤ãƒŠãƒ«ã¯ã€2008å¹´8月9æ—¥ã€åå¤å±‹æœ€å¤§ç ´šã®ãƒ©ã‚¤ãƒ´ä¼šå ´ZEPP NAGOYAに2000人超の観客を動員して盛大に行な゠ã‚ŒãŸã€‚火薬やレーザーなどの特殊効果の他〠è±ªè¯ãªã‚¹ãƒ†ãƒ¼ã‚¸ãƒ»ã‚»ãƒƒãƒˆã‚‚ç›®ã‚’æƒ¹ã„ãŸãŒã€ä½ •ã‚ˆã‚Šç´ æ™´ã‚‰ã—かったのはエンターテインメム³ãƒˆæ€§ã«å¯Œã‚“だその内容であり、まさに“ヒムƒãƒ—ホップ・ドリームを体現したヒップホッム—・ショウ”と呼ぶに相応しいものだった。だã‚ŒãŒã€ã“ã“ã¾ã§ã®ã‚­ãƒ£ãƒªã‚¢é›†å¤§æˆâ€¦â€¦ã¨ã¯å½ “然なるはずもなく、AKの目はまだまだ先を見 据えているのであった。 　“伝説的”とすら形容されたそのツアー・ ファイナルの直後には、携帯配信限定にて新 曲「Wash Out」と「I'm So Sorry」を発表。特に“ラップと歌を一人でこ㠁ªã™â€ã¨ã„うAKの武器を存分に駆使した「I'm So Sorry」ではいち早くオートチューン・ヴォー㠂«ãƒ«ã‚’採用し、“トレンドをうまく取り入れ㠂‹â€ã¨ã„う彼のもう一つの武器を披露してい㠂‹ã€‚さらにはツアー・ファイナルを映像化し㠁ŸDVDと客演集CDが前回同様2枚セットになった㠀ŽThe Story Of Redsta -Tour Final '08- Chapter 1 ＆ 2』を、またも2ヵ月連続でリリースする。 　ここまで着実に、そして全速力でステップ ・アップしてきたAKだが、ZEPP NAGOYAの最後に彼自身も言っていたように、彼 の目標はまだまだ先にある。そして、ここま での彼がこなしてきたハード・ワークを見て いると、その行く末には期待をせざるを得な いのだ。黒人をルーツにしたヒップホップ・ ミュージックが、その背景の通り“持たざる 者の音楽”であるならば、“インディー”“ 地方都市”など、様々なハンデを（自ら）背 負いながらもそれ跳ねのけようとするAK-69 a.k.a. Kalassy Nikoffの姿勢こそ、正真正銘のヒップホップな のである。 吉橋 和宏